三朝の物語
〜歴史と風土が編む、再生の聖地〜
なぜ、この地で人は蘇るのか。
八百五十年、受け継がれる
癒やしの記憶。
山陰の名湯・三朝温泉。ここには、
単なる観光地ではない、
850年以上の時を超えて
人々の心身を癒やし、
再生へと導いてきた
深い歴史と風土があります。
日本遺産第一号にも認定された、
現代に息づく「湯治の聖地」の物語を
紐解きます。
白狼伝説と源泉の始まり
(再生の物語)
傷ついた白狼がもたらした、
神聖なる“再生の湯”
三朝温泉の始まりは、平安時代末期の長寛元年(1163)にまで遡ります。源義朝の家臣、大久保左馬之祐が、源氏の再興を祈願するために三徳山へと向かう道中、一本の年老いた白い狼に出会いました。
一度は弓を構えたものの、「不必要な殺生はすまい」と白狼を逃がしたその夜、左馬之祐の夢に妙見菩薩が現れます。菩薩は白狼を救った慈悲の心を讃え、一本の古い楠の根元から湧き出る霊泉の場所を教えました。これが、今も語り継がれる三朝温泉の開湯伝説です。「三度、朝を迎えると病が治る」とされる伝説の癒やしは、ここから始まりました。
三朝川の風土と
昭和レトロな街並み
(日常からの解放)
清流のせせらぎとカジカカエルの歌声。
昭和レトロがもたらす
精神的リトリート。
三朝の魅力は温泉の泉質だけにとどまりません。宿のすぐそばを流れる澄み切った三徳川(三朝川)。夕暮れ時にはカジカカエルの情緒ある歌声が響き渡り、どこか懐かしい昭和レトロな温泉街が広がります。
都市生活の中でいつの間にか溜まってしまった日常のノイズ。青御影石の三朝橋を渡り、澄んだ空気を胸いっぱいに吸い込むだけで、凝り固まった心がじんわりと解きほぐされていくのを感じるはずです。
時の流れを忘れる静寂の風土が、あなたの「現代湯治」をより深いものへと導きます。